44. 【時澤真美 a bottle】レビュー

こんにちは、のぶちかです!
さて今回も只今個展開催中の時澤真美さんの作品をレビューします。
時澤さんの作品は、その制作工程を知れば知るほど美しさを増す様に感じるから不思議です。
ぜひ皆さんにもその魅力を知って頂きたいので、ここに共有します。

時澤真美 略歴
1978 京都府生まれ
1997 京都市立銅駝美術工芸高校 卒業
2004 愛知教育大学造形文化コースガラス専攻 卒業
2006 富山ガラス造形研究所造形科 卒業
2006 富山ガラス造形研究所 助手勤務(~2009)
2009 富山ガラス工房 所属(~2013)
2005 現代ガラス大賞展(富山)入選
2006 美の祭典越中アートフェスタ2006 佳作(富山)
2007 Young Glass 2007(デンマーク)入選
2008 日本クラフト展(東京)奨励賞
2009 日本クラフト展(東京)入選
KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展 入選
工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選
作品レビュー
作品名
①「a bottle ladder 大」





スペック
サイズ 24×51×95㎜
重量 174g
価格 8,000円税別(2019年7月15日現在)
作品名
②「a bottle light house 大」





スペック
サイズ 21×44×96㎜
重量 150g
価格 8,000円税別(2019年7月15日現在)
作品名
③「a bottle bulb 大」





サイズ 24×58×82㎜
重量 149g
価格 8,000円税別(2019年7月15日現在)
制作手順

ポイント① ある一定上の厚みが必要な作品なので、最初に巻き取るガラス量が多い。
ポイント② 予め厚みのある状態をつぶす為、予定していたアウトラインまで削りこむのにとても時間が掛かる。
ポイント③ 上図には無いが、表面へのファイヤーポリッシュと、底部裏面のポンテ跡を見えなくなるまで磨く。
ポイント④ ※PCでデザインした模様を転写してサンドブラストし、金彩を焼き付けて完成。
↓※デザインから転写までのフロー

使用感
◆「美しさ」

◆「サイズ感」

◆「表情」


用途
◆◎「一輪挿し」
◆◎「オブジェ」
評

初めてこの「a bottle」シリーズを観た時、先ずは「どうやって作っているのだろう?」と皆目見当がつきませんでした。
割りとカチッとしたアウトラインだから「型かな?」と考えてみたりするものの、張り合わせた跡もなくその予想は否定され…。
結果、吹いて潰して削ってという答えに本当に驚きを隠せませんでした。
また、吹くのと違い削りによってアウトラインが作りこまれる為、カチッとした印象はあるもののどこか優しく遊びが残っている印象も受けます。
それはなぜか?
時澤さんいわく、底面以外をファイヤーポリッシュで磨く際、熱でアウトラインにほんのわずかな揺らぎが発生するからだそう。
それを聞いて、アウトラインに「優しく遊びが残っている」理由が解けました。
つまり、削りこんだままの姿であればそれは完全なる人為的アウトラインなのに対し、そこに火の神によりほんの少し手を加えられた事で人為的アウトラインを超越し、生命感が宿りだすという捉え方です。
私はこの謎が解けた瞬間から妙にこの「a bottle」シリーズに愛着が沸き、また、陶芸には無いガラス独特の奥深さに惹かれ、今後よりガラスに関する探究を深めていきたい気持ちとさせられたのです。
「時澤真美 ガラス展」
会期 2019年7月13日~21日 11:00~18:00(会期中は休まず営業します)
会場 JIBITA
作家在廊日 7月13日、14日
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